社員紹介制度で社員へ一時金を渡すと社保料が発生する?!
社員紹介制度を導入する場合に注意する点
あなたの会社は
人材確保を促進するために
社員紹介制度などを導入されていますか?
現有社員が、その友人や知人を自社へ紹介し、彼らが新入社員として採用された場合、そのお礼として社員へ一時金を支払う制度です。
この制度を活用する場合、1つ注意する点があります。
それは、その支払ったお金は賞与扱いとなり、社会保険料が発生することです。
先日、弊社顧問先に年金事務所の調査が入り、その調査官が賃金台帳に目を通した際にある項目欄に5万円が記載されていました。
調査官が総務担当者へその支払いの意図を聞くと、担当者は社員紹介制度により一時金として支払ったものと答えました。
すると調査官は、それは賞与に該当しますから賞与支払届をすぐ提出してくださいと指導があったというのです。
賞与支払届を提出することになれば
その5万円に対して社会保険料が
会社と社員双方に発生してしまいます。
紹介料として支払ったお金に所得税の発生はしょうがないとしても、社会保険料まで取られては納得できないと思いませんか。
国が示す報酬や賞与の判断基準は?
健康保険法には、報酬及び賞与(以下「報酬等」)は労働者が労働の対償として受けるすべてのもの。
加えて食事、住宅等の提供を受けている場合、その現物支給も報酬等に含まれる
と規定されています。
賞与については、その支給されるものの中で賃金、給料、俸給、手当、賞与
その他いかなる名称であるかを問わず
労働者の労働の対償として受けるもののうち、年3回以下で支給されるものが該当します。
ただし、労働の対償ではないものは報酬等に該当しない
となっています。
その報酬等に該当しない例として
<慶弔見舞金>
結婚祝金、死亡弔慰金、傷病見舞金など
<実費弁償的費用>
出張手当、出張旅費、宿泊費など
<退職時>
退職金、解雇予告手当
<臨時的支払い>
大入り袋、就業規則等に定めがなく
任意かつ恩恵的に支払われるもの
これらには社会保険料は発生しません。
[参考資料]
「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱に関する事例集」の一部改正について(厚労省)
この労働の対償となるか否かの判断基準は「臨時的」かつ「恩恵的」になります。
臨時的とは、発生が不定期であること、
支給事由の発生、原因が不確定なもので
規定もなく今後の支給の予定もないという程度に極めて狭義に解釈する必要があります。
恩恵的とは、高額ではなく、業績や営業成績に関係なく
一律に支給されるような性質のものとなります。
これらに該当すれば労働の対償になりません。
私が年金事務所へ問合せした結果は?
私自身、今回の年金事務所の対応に納得がいかなかったので、いくつかの年金事務所へ確認してみました。
その結果はどの年金事務所も
社員紹介料は賞与扱いになるとのこと。
その理由として
社員紹介制度という人事制度に基づくためというのです。
私はその見解に納得できず
慶弔見舞金制度で支給されるお金と社員紹介料は、どこが違うのか、福利厚生ではないのかと質問しましたが、どの年金事務所の担当者も、それ以上明確な説明はせず、「上司の判断です」と繰り返すだけでした。
今回のように年金事務所の調査があった場合、賃金台帳に「社員紹介料」などと明記してあれば、賞与支払届を提出することになってしまいます。
社員紹介制度を導入する場合は、その点を考慮の上、検討してください。