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コロナ禍の影響で人員削減するときに注意すべきことは?

  
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コロナ禍の影響で人員削減するときに注意すべきことは?


今回は、コロナ禍で人員削減をしなければならないとき、
注意すべき点についてお伝えします。

先日、ある製造業の社長からのご相談で
コロナ禍で売上が50%、稼働率も60%下がり、
昨春から雇用調整助成金も活用し、
なんとか今まで雇用維持してきた。

しかし、その対応も限界にきているので、
数か月内に人員削減をしなければならない。
全社員45人のうち10人を削減し、35人体制にしたい。
リストラ対象者は、正社員3人、定年後の嘱託社員4人、派遣社員3人。

社長の心配ごとは、
できるだけもめないで社員を辞めさせるにはどうしたらいいのか?ということでした。

この場合に大切なのは、
円満に辞めてもらう方法を検討するのと同時に、
社長が会社の現状と未来を全社員へ示すことから始まります。

現状とは、売上、稼働率、縮小分野などを具体的に示し、
リストラをする理由とその対象となり得る社員像を伝えることです。
社員は雇用が維持され給与もほぼ全額補償されているので、
残念ながら社長が思っているほど危機感を持っていません。
だから改めて目に見える形にして会社の危機を伝える必要があります。

未来とは、社長が描く5年先の会社のあるべき姿です。
売上規模、売上構成、組織体制、新規分野への進出、工場内のレイアウト変更など。
社員がそれらを具体的にイメージできよう書面にして全社員へ渡すことです。
彼らが安心・安全に働ける労働条件や職場環境を伝えることです。

リストラや早期退職を発表した場合、
必ずと言っていいほど優秀な人材から先に会社を辞めていってしまうことが多く、
逆に辞めてほしい人材が会社にしがみつき辞めない状況が発生します。

それを少しでも防ぎ、残ってくれる社員のモチベーションを維持するには、
会社の未来に共感してくれる社員を一人でも多く残し、
そして彼らの力が会社を立て直すことになります。

社長の説得も応じず未来に共感しない、
感情的になって辞めていく社員は仕方ありません。

私がそのことを伝えると、
社長は人件費削減をすればこの事態を一時的に凌げると思われていましたが、
会社の未来を一緒に創っていく社員の大切さに気づき、
今後の会社の未来と経営計画を私と一緒になって作ることになりました。

今回の対応として、
派遣社員は、派遣会社との派遣契約を打ち切ること。
定年後の嘱託社員は有期雇用契約の見直しをすること。
正社員は、解雇または退職勧奨を実施すること。

解雇については、その後民事訴訟にならないよう整理解雇4要件を満たすことが、
大切な措置であることもお伝えしました。

整理解雇4要件とは
1 人員削減を行う経営上の必要があるのか。
2 経営者は人員削減を避けるために十分な対応をしてきたか。
3 人員削減の対象となる社員の選定基準、理由は誰もが納得できるものか。
4 人員削減の対象となる社員や労組と十分な話し合いをしてきたか。

これらのことを満たさないと、会社は労働訴訟で負ける可能性がありますのでご注意ください。

さて、お知らせです。

ワクチン接種が始まっても、
経営者の中には、コロナ禍で借入返済や社員の雇用維持に不安を感じ、
先の見通しがつかないと苛立ちを感じている人が多いと聞いています。

私は、経営者の人やお金の問題を解決するために
個別相談会を毎月開催しています。
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